筋肉と健康

運動、運動習慣が、人間の健康の為に良い影響を及ぼすという事は、ほぼ自明とされているのに、
健康のための運動を実践する人が少ないのはなぜだろうか。

仕事が忙しいとか、体調が悪い、お金がかかる、などというのは言い訳だ。
週2回、1回1時間の集中したトレーニングを、正しい方法で3カ月行えば、人間の体、体型は確実に変わる。
目に見えて体型の変化を確認でき、それがトレーニングを継続するモチベーションにつながる。
しかし、3か月継続できる人が非常に、極めて、少ない。

そう、結論としてはモチベーションの問題なのだ。筋トレを20年近く続けてきたものとして、このモチベーションの問題を少し分析してみたい。



1.リスクを認識出来ていない。
生活習慣病人口は高脂血症2200万、高血圧3000万、糖尿病900万。重複しているものも多いとはいえ、合計すると日本人の二人に一人は生活習慣病であるという現実があり、さらにこれらは死亡のリスクが1.2〜1.6倍となるような疾患である。



2.効果を認識出来ていない。
いまだに、体重を健康のバロメーターにしている人がなんと多いことか。BMIにしてもそうだが、体重だけで、その人の健康状態を推し量るのはどう考えても無理がある。
筋肉量が増えた方が、基礎代謝が増し、白色脂肪細胞が褐色脂肪細胞に変換され、明らかに健康に対して有利に働く。
そして筋肉の密度は脂肪の約3倍であり、1kgの脂肪が同体積の筋肉に置き換わった場合、体重は2kg増加する。
であるから、トレーニングで筋肉量を増加させている段階においては、体重は増えることが望ましいのであり、減量を望むのは全く矛盾した期待の仕方なのだ。


3.エビデンス不足
どういう目的で運動をすれば、健康が得られるのか、ということについて、いまだにはっきりとしたエビンデンスが無い。
一般には、最大心拍数の60%程度での有酸素運動を30分以上毎日行う事が推奨される、という傾向が多いように思う。
しかし、筋肉量を増やすことで、この有酸素運動が目的としている成果が、より早く達成される、との臨床的実感が私にはある。これをエビデンスとして行くために現在の企画を立ち上げた。


・上記の3つの要因により、運動が健康に良いとは漠然と認識されながらも具体的に行動に移す人がいない状況となっている、と考える。そして、これらの問題が早急に解決するものではないからこそ、外部からインセンティブを与えることで、なんとか3カ月継続させる、その結果、効果を実感させる、という手段に訴える必要が出てくる。