DM講義-DPP4iについて

スポンサーもノバルティスだったせいか、やたらエクアよりの話だった。けれども理論的根拠も多かったので、だいぶこちらの考えもエクア寄りになってしまったのは確か。
・傾向摂取された糖分の自然史。50%が肝臓に貯蔵、残りが食後40〜45分で筋肉周辺に向かう。ここで運動をすると筋での糖の取り込みと消費が最も効率がよくなる。肝に溜まった糖分は夜間に糖新生し、空腹時血糖値を保つ役割がある。この糖新生を促すのがα細胞からのグルカゴン。
・従って、運動後40分〜1時間で運動すると食後高血糖の改善が大きい。
・肝硬変では食後高血糖+夜間低血糖
・β細胞の構造的欠損は、2型DM診断時には既50%も欠損している。それまではそれぞれのβ細胞の予備能でインスリンを同じ量分泌していただけ。
・その段階でα細胞は残っているが、βとαのクロストークが破綻しており、グルカゴンが出ないため低血糖発作も起こりやすい。
・糖はβ細胞内でミトコンドリアを介してATP産生>ATPがカリウムチャネル閉鎖>電位差生じCaイオン流入>租麺小胞体からのインスリン分泌という流れ
・SU剤はこのカリウムチャネルの周りに細胞膜の中から作用してKチャネル閉鎖>Caを介しインスリン分泌。
・GLP1はGLP1RからcAMPを介してインスリン分泌。
・SU剤は血中半減期は12hでも、脂溶性で細胞膜にとどまることにより、3日間は効果が持続する>低血糖時には3日間糖分持続投与が必要>30%TZ3日間。
・SU剤はα細胞にグルカゴン分泌させる(2型でエビデンスは無し)
・DPP4iはグルカゴンを抑制し、糖新生を抑える>空腹時血糖の改善>低血糖時はグルカゴン分泌される。
・SU剤はβ細胞のアポトーシスを増やす方向に働く。
・DPP4iはβ細胞を増やさないが、保護する方向に働く。
・SU剤は体重が増えるが、エクアでは増えない。
インスリンがβ細胞核内の転写因子FOXO1を取り除く働きがある。FOXO1は細胞老化を進める方向の因子である。
・β細胞のreplicationには3~5年かかる。
・DPP4iの中ではエクアのみ、DPP4と共有結合する。ジャヌビア、グラクティブは水素結合であり、付いたり離れたりする。>エクアのほうがGLP1活性を保つ効果が強い。
HbA1c=6.8~7.0程度の初期からエクア25mg/day+運動食事療法で十分改善できる。
HbA1c=7.6~8.3程度のSU剤がどんどん増量されてきた症例ではエクア50mg分2/dayから切り替え。ただし、3日間はSU剤のwash outが必要。
・αGI無効例にもエクアは著効。
・保険が通っていないがビグアナイドとの併用は有効。
・non responder:ジャヌビア3割、エクア1割>エクア無効例にジャヌビアが効く事も。しかしジャヌビアも分2投与したほうが良い<夜間の糖新生を抑えたいので。


・疑問点1:non-responderとはどういう機序で発生している病態か。
・疑問点2:肝臓での糖新生を抑えてしまうと、脂肪肝は悪化するのではないか。