ノロウィルスくらいで騒ぐな。

いま巷ではノロウィルスによる感染性胃腸炎が流行している。
斯く言う当院でもかなりの数の職員、および患者が下痢、嘔吐症状を認めており、ノロウィルス感染として隔離管理されている。
ノロウィルスは感染力が強く、アルコールで殺菌されない。基本的に、便、吐物中から経口感染するわけだが、容易に飛沫感染するため、急速に広がる。
しかし、ウィルス同定検査が、保険適応外であり、しかも高額、結果が出るのに1週間以上かかるということで、行う意味が無い。
ということで、ノロウィルスは、症状から憶測で診断され、隔離されるという事態となっているのである。

しかし

私に言わせると、ノロウィルス感染なんて、ただの風邪である。それで死者も出たとか騒がれているようだが、それはもともと全身状態が悪く、死ぬべき運命だった人と考えるべきだ。
ノロウィルスの流行を、集団食中毒と同じように捉えて、保険所などが動くみたいだが、飛沫感染という感染経路なのに、それを厳密に管理しようなどと全く無理な話である。それができるなら、風邪が流行るのをとめることもできるはずだ。しかし毎年風邪は流行っている。
私の携わる透析室でも一人患者が透析中に下痢で、便失禁。その処理をした看護士2名が今日になって下痢で欠勤、士長も下痢で早退した。感染の拡大を防ぐために自主的に欠勤しているのだろうが、果たしてそんなことまでする必要があるだろうか。おまえらサボりたいだけちゃうん?
下痢くらい私だって2~3日前からしているが、別に腹痛も無く、熱も無い。便意を催したときのみトイレにこもればいいだけの話である。勤務に何の支障も無い。
自分が感染源となるのを防ぐため、とか奇麗事を言っているが、仮にも医療に携わるプロならば、感染を広げないように自分自身で気をつけたらいい。「手を洗え。手を。どうなってるんだ」
もちろん症状が激烈であったなら仕方ないし、こんなことを言うのは悪いけれど、世の中とか医療とかが、すべて安全過敏症というか、安全とか、保身とかに躍起になりすぎて、もう全く機能が麻痺してきてるんじゃないかという気がする。
何か不幸な事態が起こったら、誰かに責任を擦り付けることで解決しようとする輩が多すぎる。起こるべく、自然の現象として、事故やミスは生じうる。ただ単に自分の不運だった、と受け止められる人がなんと少ないことだろう。
もちろん、悪意や故意や、怠慢によって、健康や生命に障害を受けたなら、それは断固として抗議し、保障を求めていいような事態だと思うけれど、よっぽどの悪人で無い限り、誰かの健康や生命を傷害しよう等と考えないものだ。ということは故意ではない、事故である場合が大半だ。業務上過失罪などという罪を誰が考えた?過失は罪ではない。意図されなかった不幸は誰の罪でもない。
生まれたのは誰のせいでもない。死ぬのも誰のせいでもない。生まれたから死ぬ。それだけのことだ。どうしてそのことをそのまま受け止められないのか。それを受け止めることこそが、生きていることの意味だろう。