男性不妊症診療のまとめ

・日本の生殖可能年齢男性25-40age male=1560万人
・うち、婚姻できる男性が2/3
・婚姻1/10が不妊
・ART(生殖補助技術)としてIVF-ET(顕微授精+胚移送)、ICSI(精巣内精子採取+顕微授精)
・ICSIができるまでは妊娠率が10%程度。ICSIになってから妊娠率50%と飛躍的に上がったが、それでも出産率は20%程度
・男性不妊症外来としてすべきことは:外陰診察、精巣US、LH-FSH検査、遺伝子検査
・ICSIの問題点:Large offspring syndrome=産児が大きい、Beckwith-wiederman syn、Angelman syn、性染色体異常児2.1%>通常0.4%
・ICSIの問題点=先天異常が受け継がれる:先天性両側精管欠損-cystic fibrosisとリンク、精子形成異常-AZFの欠損が8.0%
・男性不妊:造精機能障害が83%、通過障害が13%
・男性不妊薬物療法:いかなる薬物も効果は明らかなものがない(はっきりとしたエビデンスはない)、テストステロンは投与すべきでない
・精液検査:1.5ml以上、1500万/ml以上、運動40%以上を正常とするが、かなりこれは低い値。日ごとの変動100万~1億/mlと変動する。
・非内分泌療法としては、カリクレイン、カルニチン補中益気湯
・内分泌療法:低正ゴナドトロピンが対象 FSH75IU/week hCG1000~3000IUx2回/weekを。
・基本:LHがテストステロン産生、FSHが精細胞分化を促進
精索静脈瘤:男性の15%、不妊男性の40%、後天性不妊(=二人目以降不妊)の28%=進行性不妊
無精子症において精巣内に精子がいる可能性:精巣が14ml以上、FSH正常 あと何か で90%
精索静脈瘤の手術で精子DNAの質が改善される
・ICSIの前に、精子形成異常を除外しておくためにAZF検査(自費、海外)をしておくのが望ましい>4.4%の無駄なICSIが防げる
精索静脈瘤の手術は顕微鏡下低位結紮術がベスト