ACP午前の部

FUO再考 by 柳秀高さん
・FUO定義=38.3度以上の熱&3週間以上続く&1週間精査でも原因不明
・FUOに多いもの:陰影ない粟粒結核、CTでわからない深部膿瘍、リンパ節のないリンパ腫、頭痛側頭所見のないTA、亜急性甲状腺
・病歴、身体所見から手がかりを=potentially diagnostic clues(PDCs)
・FUO一人当たり、15のPDCs:しかしPDCsの81%はmisleading、19%が診断につながる手がかり
・Tb疑えば胃液培養:しかし3週間かかることもある
・フェリチン>3000では:AOSD、HLH、Lymphomaを疑う
・感染性心内膜炎:多彩な臨床像、peripheral signを見逃す
内科診断:症例検討 by 川島篤志さん
・90歳DM女性がDKA疑われて入院し、偽膜性腸炎とDxし加療するも、腎不全+代謝性アルカローシスから呼吸不全となり、入院後20日目に永眠という経過。
・トルバプタン(商品名サブスカ)という利尿薬がある:Vasopressin2 receptor blocker:水利尿だけが行える
・臨床倫理の4分割法:多職種での検討で役立つ、とのこと
・個人的には、もちろん後出しじゃんけんなのだが、ECUMではなく、CHDFを回せば、この方は助けられたのではないかと、と思う。
輸液の基本 by 柴垣有吾先生
・輸液は基本的に細胞内液を増やしたいのか、外液を増やしたいのかで決まる
・輸液は5%TZ=自由水と生食の2種だけですべてに対応可能
・内液不足=高Na血症<5%ブドウ糖
・外液不足=hypovolemia<生食
・内液不足では口渇が必ず出る
・外液不足では循環虚脱
・現在体液が不足しているときに行うのが是正輸液(ここまでの話)
・経口摂取不足などで、今後不足するのを予防するのが維持輸液
・維持輸液は母乳と牛乳の成分を参考に作られた
・体の浸透圧のほとんどはNaで決まる:高Na血症とは体が濃くなっていること
・喪失体液のほとんどは薄い液>体は濃くなる。
・不感蒸泄1リットル/day:15mlx体重Kg(平熱+気温30度未満)+気温or体温1度上昇するたびに15%増加
・高Na血症の原因:濃いIN(飲水低下+高張輸液)、薄いOUT(利尿薬、浸透圧利尿、不感蒸泄)
・低Na血症では予後悪化:心不全でフロセミド+高張食塩水投与で予後改善
・周術期の尿張度は低い:ストレスでのADH過剰>低Na
心不全で低張液を入れるのは間違い