孤独死で、

医療事故、であったかもしれない症例の経験。
60台男性。精神科通院中の尿閉症例。アレビアチンなど10種以上の向精神薬内服中であり、3000ml以上の残尿を認めた高度の神経因性膀胱。向精神薬の減量を依頼しながら、ウブレチド5mgとユリーフ投与し、2週間目でFoley抜去。即日再びの尿閉で再留置。ウブレチド10mgに増量し、1ヵ月後に再度抜去して、尿閉ならばCIC導入の予定であった。向精神薬で、意識は混濁傾向にあり、理解は不良であった。
1ヶ月経過時受診が無いのでいぶかしんでいたところ、紹介のあった前医より、本人が自宅にて孤独死していた旨連絡があった。どういう状態で死亡していたのか詳細不明であり、抗うつ薬の服用もあったので、自殺の可能性もあるのかもしれない。ウブレチドによるクリーゼの可能性もあり、一人暮らしの精神化通院中尿閉については、早めにCICとしておく、ウブレチド増量の前に理解力のある、家族にICを行って置く、などの対応があるべきだったと反省中。