away

たまたま妻方のご両親が自宅に寄ってくださる機会があった。しばらく孫たちと遊び、昼食を一緒にとって帰られたのだが、妻はその時、一緒に車に乗って帰りたかったらしい。
その話を聞いたときに衝撃を受けた。なんとなく、妻も私が思っているようにいま住んでいる自宅を、自分の自宅、居場所と捉えているだろうと考えていたのだが、妻にとってはここはいつでもアウェイで、帰るべき場所がほかにある、という感覚なのか、と改めて感じたからだ。自分が逆の立場だったらと考えてみれば確かにそうだ。生まれ育った土地から遠く離れ、名字も変わって、方言も違い、産物も異なり、見知らぬ人達ばかりの土地で生きていくことになる、これは心細いものだと思う。
勤務医時代は私もそうだったわけだが、そのころは仮の住まいであり、終の棲家ではない、という意識があった。
そういう心細さに少し配慮してやる必要があるかな、と思い直した。