ラストイニング

by中原裕

ラストイニング 21 (ビッグコミックス)

ラストイニング 21 (ビッグコミックス)

原作は神尾龍という人らしいので、すべての功績が中原氏のものではないと思うが、
面白い。

この方は以前にも「奈緒子」とかいうマラソンの漫画を描いていたと思う。あちらはちゃんと読んでいなかったが、この「ラストイニング」はずっと読んでいた。この人の絵は、人物の描き方があまり感情移入できない部類に感じられ、前半はそれほど面白くもなく、惰性でストーリーを追っているだけだったが、地方大会決勝戦に着て、俄然面白くなった。まさに息をのむ展開というか、盛り上がっている。

今日は現実の世界でも高校野球の決勝戦が行われ、なかなか熱戦が繰り広げられたらしい。

だが、最近私はそもそも野球に興味がない。自分がグラブを持ったりバット振る機会があれば別かもしれないが、全く無いこともあり、そもそも誰かほかの人を応援しているような余裕のある人生ではない。不惑の40歳までに自分の趣味や居場所を見つけるのに日々大忙しだ。
水泳や陸上の世界記録が出るような場面を見るのは好きだ。その世界の最高レベルを目の当たりにしているという実感があると、感動がある。しかし野球は、、、イチローという人も年が近いしすごいことがあるのかもしれないが、自分とまったく接点がないので興味がない。

ところがこの「ラストイニング」は駆け引きがあり、作戦があり、因縁があり、ドラマがある。実際の野球もそうなのだろうが、それを理解するための予備知識が足りなさすぎ、さらに、それを学ぶための時間が惜しく感じられてしまう。マンガだと、駆け引きが細部まで解説されており、分かりやすい。

まあ、マンガなので彩珠学院は聖母学苑に勝って物語が終わるのだろうけれど、そこにたどり着くまでにまだまだ半年以上かかりそうな勢いである。

スピリッツで一番楽しみなタイトルとなった。