講義

看護学校の講義も何度か繰り返してきて慣れてきたが、つい要らないことをしゃべってしまって、
最後が駆け足になることが多い。
私が彼らに話すべきは、私が担当している領域で、彼らにとって必要な知識、についてである。
将来彼らが医療従事者として働くに当たって必要な知識、しかし直近においては3年後に控える国家試験に受かるための知識である。
けれど、私は、自分が身をおいてみてわかった、医療に存在する矛盾や、哲学的な部分に少しは触れて、これから彼らが身をおく世界はどういう世界なのかということを感じて欲しいと思う。そういう矛盾や、悩んでいくであろう問題に今から触れて、考えていくことで、彼らがより自覚的に自分の働く世界で過ごしていって欲しいと思う、ので、要らないことをしゃべる。
例えば、医療に存在する優先順位、人の命の重さが平等でないことについて。
例えば、今言われている医療崩壊とは、何が原因で起こっていることなのか。
前時代的な、人生丸投げ的な患者-医師関係と、EBM
こうした事柄について、ついつい話が及んでしまい、雑談になる。