専門医制度

明日から学会のために横浜出張。
学会参加といっても、旅行気分で出かけて、気になる演題をいくつかチェックして気分で2〜3時間人の発表を聞いて、ポスターや最新の医療機器をチェックして、昼飯代わりにランチョンセミナーに出席して、夜は同級生たちと飲んでくっちゃべって、次の日新幹線で帰る。
それが私にとっての学会だ。
こんなもの、参加しなくてもネットでも雑誌でも十分情報は得られるのだが、はるばる横浜まで参加しに行くのには理由がある。
それが専門医制度だ。
私は泌尿器科と透析の専門医だが、この専門医という資格は、それぞれ日本泌尿器科学会、日本透析医学会から承認してもらわないと得ることのできない資格であり、これがあると、病院の看板に、泌尿器科、透析専門医であることを、標榜することができる。
専門医になるには資格審査試験に合格する必要があり、このブログの3年か4年前の部分には、私がその資格試験を受けるために受験勉強している記述もあるはずだが、これに合格して晴れて資格を得たわけだが、5年とか6年ごとに認定更新手続きというものが必要となる。
この更新手続きに、必要な「研修単位」というものがあり、泌尿器専門医では更新に100単位、透析専門医では50単位の単位を集めておく必要がある。そして、泌尿器科学会総会1回参加すれば20単位、日本透析医学会総会に参加すれば10単位とか単位がもらえるという仕組みである。
この単位認定のために必要な、「参加証」購入のために、1回に1万5千円とか2万円とか取られる。学会としてはそれで活動費用を集めているわけであるから、当然の仕組みかもしれないが、要は専門医の資格を金で売りつけているわけで、あこぎな商売だ、と思う。
こんな実のない「名」だけのためにお金を払っていくのは無駄な気もするが、旅行気分での学会参加は気晴らしにはなるし、1年に2回くらい、家族サービスでない旅行もいいものか、と考えて参加することにしている。
研修医時代、ともに怒られたり、馬鹿騒ぎしたり、お互い採血し合ったりした研修医の同級生たちが、海外留学したり、助手や講師などのポストに近づいていたり、華々しい研究成果を出していたりするのを聞くのも、面白いといえば面白い。