資産運用は必要か

最近、銀行や、証券会社が、資産運用のために生命保険に入れだの、どこかの国の債権を買えだのいろんな話を持ってくる。
こちらが得になる話であり、お役に立ちたい、というような言い方をするのだが、はっきり言って、彼らの言うことはわからない。
どこがわからないか聞いてください、といわれるが、何がわからないかもわからない。自分はそういう金融や経済のことについては全くの素人である。そして素人がこんな資産運用に手を出すべきではない、と感じるので、結局私は動かない。

私の経営するの医療法人には流動資産普通預金でかなりの額がある。このすべては長年にわたって私の父がこの医院で築いてきた資産である。私という後継が現れたので将来的に相続などの問題が発生するという点が注目され、これを使わせようというのが彼らの目的のようだ。

彼らの話の要点は、所得税相続税という税金対策であり、控除を利用したり、安定資金ということで、預金しておくよりも高い利回りが期待できる運用方法がある、というような話のようだ。

本来の考え方として、税金を払うのは国民の義務であり、決められた税金を払うことに何の不満もない。
確かに、節税のための何かの抜け道や、うまいやり方、というのがあるのかもしれないが、彼らの話は複雑すぎて、その基本が見えてこない。要は彼らに利益が発生するから、彼らは営業活動としてやってくるのであり、こちらは何を言っているかよくわからないので結局リスクとベネフィットがはっきりせず、話は物別れとなる。

お金はあればあるほどいいのだろうが、使い切れないようなお金をさらに増やすために労力を使うのは馬鹿らしい。収入としては自分の労働や責任、そして専門性がきちんと評価された、と感じられるだけの収入があれば十分だ。残りがすべて税金として国に持っていかれようと、それはそれで仕方ない。わけのわからない保険会社や証券会社の利益に貢献するよりは、国の役に立つ方が納得できる。医療費の削減方向など、国のやり方にはいろいろ不満もあるけれど、国があるおかげで、こうしてある程度の安全と生活環境を維持できている、とは思っている。税金をしっかり払った上で、さらに国政にも口を出すのが望ましいあり方だろうけれど、残念ながら今のところそういう方向には興味がない。

いろいろ述べてきたが、要は私は資産運用に興味がないのだ。明らかにこっちの方が得なのに、これをしないなんてバカみたいだ、頑なだ、と言われようと、興味がないことに時間やお金を使うつもりはない。