損金算入

経営コンサルタントの言うところの、「法人の利益を飛ばす」というのは、具体的には、職員を法人経費でがん保険に加入させ、福利厚生費として保険料を損金算入し、積立られた保険料は解約時に88%程度の返戻率でこちらに帰ってくるが、経費が増えたことによる節税効果を考えると、法人の利益として積み立てた額が111%程度得をしたことになる、というのがその仕組みだ。
不安材料は二つある。
ひとつは保険会社が倒産しないか、という不安。返戻率が変わることは契約上ないらしいが、、、倒産すれば当然積み立てた保険料は戻ってこないのであろう。
もうひとつは、今後も保険料がずっと損金算入されるという仕組みは変わらないのか、ということがある。
この保険加入が蓄財を目的としたものであることが明らかになるなら、当然国税庁は、それを経費と認めなくなる方向で動くのではないか。

また、保険を解約することで法人に帰ってくる金額にも当然税金はかかるのだろうけれど、その点はどう考えるのだろうか。職員の退職と同時に解約することで、退職金をその返戻金から支払うことで、法人の利益を時間的に分散することにはなるのだろうが。



国への税金を払うことは、「損をしている」と考える考えはない。この国が持っているからこそ、こうして安全な社会で生活でき、ある程度健康で文化的な生活を保障されている。そのために必要な税金を払うことにためらいはないし、国民の義務であり、当然のことだと思う。
経営コンサルなどに相談すると、節税という観点から、この税金を払うことが、馬鹿なこと、無駄なこと、と扱われてしまうのだが、そこに立場の違いがある。
結局お金を取られる先が、国になるか、保険会社になるかという違いしかないのなら、私はむしろ国にお金を投資する。