skin

いつも立ち読みタイトルに入れていなかったが、スピリッツはいつも買って帰っている。面白いからではなく、妻が読んでいるタイトルが多いから、要求されて買って帰るのだ。家にある以上はつい自分も読むから、あまり面白くないと思いながらも、いくつかのタイトルを続けて読んでしまうことになる。
今週終わった「20世紀少年」とかぜんぜん面白くなかったなあ、という気がする。
団地ともお」「3名様」だけはいつも安定して楽しめる良い作品だが、あとは筋を追い始めてしまったから惰性で読んでいるという感じのものが多い。
ところが最近始まった興味深いタイトルが「skin」。結局ちゃらちゃらした内容になりそうな出だしだが、美容整形手術の是非、という興味深いテーマを扱っているだけに少し気になる。
たとえば初回で出てきた「男は顔のいい女とセックスしたがる生き物だ」についてだが、二つのレベルでツッコミどころがある。
ひとつはいわゆる竹内久美子レベルでのツッコミで「男は顔のいい女の子を産める女を求めている」のであって、つまり美容整形で顔が良くなってもそれは獲得形質である以上遺伝せず、従って、美容整形手術を受けたという事実は配偶にマイナスに作用するであろうし、それを隠していたという事実も婚姻に際してはマイナスに作用するであろう。より「劇的」な変化を遂げるほどそのマイナス作用も大きいのである。場合によっては「誇大広告」との謗りを受け、婚姻を解消されてしまう可能性もある。まあ、美容整形医の立場から言えば、みんながみんな美しくなってしまったら商売上がったりなので、遺伝的には非美人が多い形が存続してほしいとも言えるのかも知れない。
また、実際の自分の感覚レベルでも、実際、容姿の美しい女性には惹かれるけれども、容姿というものは純粋にその造形のみを言うのではなくて、いわゆる立ち居振る舞い、しぐさや、言葉遣い、さまざまなその人の内面とあいまった容姿にこそ惹かれるのであって、純粋に造形のみで美しいというものにはむしろ美術的な興味しか抱けない。