経営者として医療に携わること

自分は当院の院長の長男であり、将来的には経営者となる立場である。
この立場から基本原則をまとめると、
1.経営が成り立つこと。(収益が経費を上回ること)
2.安全性が確立されていること。
3.公正な評価、管理体制がとられること。
4.組織の発展性、診療内容の向上が目指されること。
以上の4点となる。
1が確保されなければならないのはこれが経営である以上明らかだ。私は慈善事業としてこのクリニックの経営に当たるわけではない。ここからの収益でもって自分の生活を成立させ、経済的に自立していくために行うのだ。
2は、今の時代で言えば具体的には訴訟対策ということになる。医療ミスとして訴えられ、罰せられることのないように、透析診療において当然なすべき事柄を為し、やるべきでないことをやってしまうことのないようなチェック体制を整え、何かが起こってしまった場合の対応をあらかじめ検討しておく。そういう危機管理、安全対策が行われなければならない。
3は勤務体制、職員の昇進、昇給、教育が公正に行われ、やる気があり、才能のある職員が報われ、そうでない者は必要な教育、必要な処遇を受けるという機構。さらにその人材の適性にあった職種、部署への配属。
4は文字通り、組織が合理的に発展していくこと、EBMに基づいて診療の質が向上していくことも目指されなければならない。そのためには、学会参加、勉強会などが行われるべきだろう。