星の王子様

「ほんとうに大切なものは目に見えないんだよ」というような勢力と真っ向から対立するリアリストであろう、と大学1年の時の自己紹介文に書いていた気がする。いまではそこまで肩肘張ろうとは思わない。
ブログで新訳がいくつかでたという情報を得て、ノダメ13巻とともに買ってきた。
三野博司訳のものを読んで見たが、昔読んだものより、批判や揶揄の内容が明らかになりすぎており、物足りない感じがあった。
ガリバー旅行記に似ている」、と思った。近現代社会批判。
「てなづける」ためにある程度時間を費やしたからこそ、特別な関係になるという「きつね」の説はその通りだと思う。モンゴル800の歌うところの「ほら、あなたにとって大事な人ほどすぐそばにいる」というところと同じである。
このように分析して読むものではないのかもしれないが、少なくともこの三野博司訳の星の王子様の内容は以下の三点に集約される。
現代社会批判
・ある若い男女の恋愛の顛末
・ある存在や関係が自分にとって特別なものとなる、もしくは価値を持つ、仕組みは、その対称に属する性質や要素によるのではなく、実際にその相手との関係において積み重ねられた経験こそがその成立要因となる、というその仕組み

ノダメは面白かったが、展開が遅い。もっと演奏場面を豊富にして欲しい。