29.8.2005.

前立腺癌ターミナルで入院し、骨転移による疼痛に対して放射線治療を開始していた症例がせん妄による不穏状態が強く、治療の継続が困難ということで、退院の方針となった。発熱、摂食不良、SpO2の低下もあり、退院には不安もあるが、徘徊、暴行、治療拒否など、入院していても点滴すら出来ない状態なので、どうしようもない。PSA自体はまだ300台であるが、このような症例はあまり予後が期待できない。外来で放射線治療が可能になるかどうか、せん妄からの回復に期待するしかない。
今日の入院は2件。一件は残尿過多のBPHでTURPの適応となるかどうかを判断する。もう一例はこれも前立腺癌の内分泌療法不応性となりつつある症例で、これに関しては、原発巣への放射線治療が、奏功する可能性があるので、それが目的である。
原発巣への放射線治療が奏功する可能性があるなら、なぜ初発時にオペをしなかったのかという考えもあると思うが、生検にて10本中のすべてに腫瘍が検出され、直腸診とあわせてStageC相当、PSAも40あったので、オペでの根治は難しいと判断されていた。画像上は骨転移など認めず、放射線治療を施行してみる価値はあると考える。
また今週半ばには、膀胱全摘予定症例が入院となる。尿路変更は尿管皮膚婁となる予定だが、非常に気が重い症例である。