21.7.2005.

No.2が不在のために、研修医の指導をすることとなり、火曜からやっている。
指導する立場であると、要領よく仕事を終わらせること優先で動くことはできない。
なぜ、そういう治療法であるかと言う根拠も示さなければならないし、仕事としての面白みを抽出して見せる努力も必要となる。あらゆる業務において、アドリブや省略形ではなく、本来のあるべき姿を示さなければならない。それはすごく手間のかかることだ。
自分でやれば30分で片付いてしまう入院時の指示や手続きも、説明しながら研修医の手でやらせなければならないので、2時間以上かかることもある。静脈ライン一つ取ることについても、患者さんの説得から手技的な配慮までいちいち気を使う業務が増える。
これは自分を向上させる役に立っているとは思うが、はなはだ労力を使い、家に帰るとぐったりしていることが多い。

昨夜の当直中に、入院中症例のCPAがあり、ひさびさに挿管をした。吐物にまみれた喉頭蓋をよけ、うまく声帯内に挿入できた。発見が遅かったのか症例の転帰は死亡となったので私が挿管に成功しても意味がなかったわけだが、自分の挿管のスキルが確認できたことは、患者さんには悪いが、満足のいく出来事であった。