400,000

昨日の飲み会は、予想通りの展開であった。要は維持期になった透析症例を、紹介してくれ、というのが向こうの目的で、北新地の店を3軒回った。相手の開業医は同門の20年以上先輩に当たる方で、要は「飲む、打つ、買う」が男の価値であるという旧時代の生き方を地で行っている人で、昨日も、自分が勤務医時代に如何に手術がうまかったか、上司や教授になった人より上手だったとか、そういう自慢話に終始し、最後にはクラブの女の子と一緒に帰っていった。一人患者を紹介すれば、向こうにとっては月当たり40万の増収になるらしく、一人につき一回、クラブに連れて行ってやる、と言われたが、こんな機会は少ない方が良い。
自分はただ酒を飲めたわけで、どんなに自慢をされようと感謝すべき立場なのかもしれないが、人の自慢話と店の女の子といちゃつく姿を肴にさせられたのでは、あまりおいしい酒でもない。向こうはどうせこの費用を経費にしているのだろうし。
自分としては、患者さんの住所がこの開業医のそばである場合はもちろん紹介すると思うが、そうでなければ患者さんにとって都合の良い病院に紹介するというこれまでの立場を変えるつもりはない。地域医療、開業医との連携が病院の発展上重要なことはわかっているが、病院の発展を模索するような上の立場に私は立っていない。ただの勤務医であり、この病院と運命をともにするつもりもない。