CKD治療 by Dr.正木

・CKD治療は降圧治療が中心。
・体液貯留の治療はサイアザイド利尿薬から
・NaCl排泄の管理はCl濃度で行う。
・尿蛋白は糸球体の障害で
クレアチニンの上昇は間質・尿細管の障害で
・ネフロンを栄養する動脈は一本>動脈硬化で一緒くたにやられるため、腎硬化症では蛋白尿が見つかりにくい
・尿蛋白の原因は糸球体上皮細胞Podocyteにおけるネフリンの障害による
・尿蛋白の発生機序:これまでの輸入>輸出の圧格差によるhyperfiltrationという考えより、ネフリンの障害という考え方が中心に。
・RAS系阻害薬はネフリンの発現を増やす。
・CKDの降圧目標は家庭血圧で125/75
・ただし、高齢者では診察時血圧で収縮期110mmHgより低くなることを避ける。
・CKDの降圧療法はまずRAS阻害
 −その後CVDハイリスクでは、長時間Ca拮抗薬>利尿薬と併用選択
 −その後退役貯留では、サイアザイド系利尿薬>長時間ループ利尿薬>長時間Ca拮抗薬と併用選択
ARB,ACEIで半年経過後にアルドステロンが高値となる現象=アルドステロンブレイクスルー>尿蛋白が再度増える
・オルメテックはAng(1-7)を誘導することにより、このアルドステロンブレイクスルーを防げる(ただしこの日のスポンサーが第一三共
・CKDでは降圧薬の眠前投与も十分考慮するべき。
・CKDではCa拮抗薬はN型コニール、ランデル、カルブロック、T型アテレックが望ましいか。
その他のトピック
ARB+DRI併用によるCKD進展予防効果なし
・高齢者は利尿薬で容易に低Naに。食欲不振時注意。
・大動脈瘤など動脈硬化のひどい症例ではRAS阻害薬でAKIとなることもあるので要注意。
・IDDMでARBは尿蛋白を改善しない。
・HD患者ではストロングスタチンによるCVD予防効果はなし。
高尿酸血症は独立で高血圧の原因因子となる(機序は不明)。
・クレメジンはインドキシル硫酸を抑制し、特に進展性のCKDで尿蛋白陽性例でCKD進展予防効果が証明されている。