ハリー・ポッターと死の秘宝2
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2011/11/16
- メディア: DVD
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原作を読んでいないのに言うのもあれだが、恐らくこれは原作のスケールの違いだ。ハリーポッターは「ナルニア国物語」と同系列の、現代社会とファンタジー社会が交錯する世界設定で、指輪物語は、神話すらも構築されているような完全なファンタジー世界。この違いがもたらす重厚さの違いというものは大きい。
しかし、ハリーポッターは、現代社会とつながりがあるからこそ、登場人物に感情移入しやすく、親しみやすく、また、劇中に笑いがこぼれるような、軽妙さもある。その点ロードオブザリングは息が詰まるほどほとんどシリアスな場面が続く。だから需要の違いにこたえるような住み分けが出来る作品同士ともいえる。
以下、内容に触れることになるので畳みます。
この死の秘宝2にはシリーズ完結ということで期待が大きかったこともあるが、カタルシスに欠ける最後。
主人公自身が分霊箱であったという絶望的な展開はカタルシスに至るのに十分な助走だったが、その割にはあっけなく、平凡な決着の着き方であった。
これと比較しても、ロードオブザリングの構成の見事さは光る。ずっと嫌悪を抱かれる存在であったゴクリが最後に大役を果たす、というカタルシス。戦争の絶望的な状況が、フロド、サム、ゴクリの長い長い陰鬱な旅の結末によって、一気に逆転の形勢を果たす、その矮小な努力が壮麗な結果に結びつく見事さ。
時間があればもう一度ロードオブザリングを見たい。