DMインスリン療法講義

基幹病院のオープンカンファレンス。
DM最前線で活躍中の方のお話を聞けた。
・DMの治療は早期にインスリン自己注射を導入し、なるべく膵臓を疲弊させない、という流れに来ている。
インスリンの4タイプ
  速攻型R、中間型N、超速攻型Q(ノボラピッド>ヒューマログ>アピドラ)、持効型(ランタス、レベミル)
  混合型:R30%+N70%=30R 二双性インスリン:超速攻型30%+N70%=30Mix
インスリンの自然分泌には基礎分泌と追加分泌がある。
  IRIで基礎は4~5、追加は80~100というオーダーが正常。
  IDDMでこれを模倣するには、持効型+超速攻型x3の4回打ち、となる。
  しかし、一日4回も針を刺すのはいやなので、ノボラピッド30Mixの2回打ち、などの変則が生まれる。
・肥満=内臓脂肪面積>100cm2
  がある、ということは、インスリン分泌がある、ということの証拠(糖が脂肪細胞に取り込まれている)
・HD患者では空腹時は下がり、食後高血糖となるパターンが多い。
・IDDM発症を疑えば、抗GAD抗体、抗IA2抗体を測定する。
インスリン分泌を見る:1日尿中C-ペプチド>90程度で十分 IRI食前後測定
・ビグトーザ(GLP1注射剤)には食欲低下作用がある。
・空腹時高血糖タイプにはBOTランタス+経口剤)が向いている。
・糖とインスリンの自然史
  腸管から吸収された糖はまず肝臓(タンク)に30%プールされる
  ここを通過した後の糖は脳に50%、筋肉+その他の臓器に向かい、最終的に脂肪細胞に取り込まれる。
  インスリンが働く部分は、肝臓50%、筋肉、脂肪の3つ。
  ここでインスリンが働けなくなる障害がそれぞれ、脂肪肝、運動不足、肥満となる。
  脂肪肝が障害となっているDMについては、経皮吸収インスリンでは肝臓への到達が弱い。
  脂肪肝では、グルファスト等の膵臓インスリンを出させるタイプの薬のほうが、肝臓への作用がある。
  従って、BOTにさらにSU剤を上乗せする、というような治療が脂肪肝ではありうる。
・混合型2回打ちでは夜間3時に低血糖が起こりやすい。
・尿蛋白陰性、微量アルブミン尿陽性の段階の腎症は可逆性がある。