職員教育のためのネタ帳

・医療関係者は科学的でなければならない。なぜか。
=多人数を扱う仕事だから。
・科学とは
=普遍的に妥当し=誰がやっても、いつやっても、どこでやっても、同じ原因から同じ結果
=再現性があり=何度やっても同じ結果
=演繹性があり=同じような事柄に当てはめることができる=他の現象も類推できる
ための学問であり、それはつまり、他人と関わる=共通言語を求める、のとほぼ直結する構造だから。
・患者さんは自分が治ればいいのであって、他の人がどうかとか関係ないんじゃないの?
=その人はそうであっても、そうした人たちを多数見ていく私たちは違う。=多数に当てはまる話をしないといけない。
・科学では証明されてなくても、それを信じることで幸せになれるようなものが存在する
=そういうものは確かに存在していいが、医学医療はそうしたものを扱う領域ではない。>本当にそうか?(これには医学の中からは答えようがない)

・血液型と性格の相関について
>どうやって相関を証明するか?
>横断研究:血液型別にランダムにNを集め、「神経質」などを数値的に評価できるアンケート調査を行う。<バイアスを入る余地多い>たとえばどんなバイアスがありうるか。
コホート研究:たとえば骨髄移植で血液型が変わり、かつその変った後の血液型を知らない人を多数集めて、血液型特異的な一定の方向への性格変化があるかどうか。
=相関は無い、と証明する報告が多い

・しかし実生活、職場において、なんと多くの人が血液型と性格の相関を土台にした判断をしていることか
=むしろ、なぜそのような土台を必要とするのか、が問われる必要がある。
=たとえば就職面接の際に血液型が業務適性の考慮材料にされていたりするとすれば、科学的にいえば全く不当な差別が行われていることになる
=科学の徒である医療者はそのような偏見は捨てるよう努力すべき

・実際の統計にはバイアスというものがある。
=95%信頼区間という考え方=95%の人には当てはまる、と言えそうな現象である、ことが認められている場合が多い
>残り5%の人には当てはまらない。当てはまらなかった人はどうしたらいいの?>その5%の人たちをまたたくさん集めて、どうしたらいいかを検討し、比較していくしかない>最後は経験的に、直感的に対処しなければいけない場面もある。

・個体差、というものがあり、統計が当てはまらない場合も多々ある
>それでも、当てはまる理論から類推して、妥当な方針を取って行く(正確には選択肢として患者に提示する)のが医療者の態度