幼年期の終わり

幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))

幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))

読了。硬い文章と、アメリカ風の言い回しに最初はとっつき難かったが、途中から引き込まれて一気に読んだ。
面白い。科学的思考法が優勢を占める現代でも、超自然的な存在がいつもどこかわれわれの周囲を付きまとっているが、その落しどころがこんな壮大な形で決着が付くとは。
まずは姿の見えないオーバーロードとのやり取りで一舞台あり、その後、彼らの真の目的についてまた舞台が展開される。謎が気になってどんどん引き込まれるし、その壮大なスケールの解決にまた唸らされる。想像の力だけでここまでの物語を一人の人間が創れる、ということに本当に感心してしまう。

途中で出てきた、「きっかけ」としてのパーティでの一幕、あれはどう見ても「こっくりさん」だなあ、、、西欧にもああいった儀式があるのだろうか。
興味を持って調べてみると、もともと「こっくりさん」はアメリカの「ターニングテーブル」という遊びが日本に伝わったものらしい。1970年台の子供たちの間で流行した、とあるのでそれがちょうど私の世代だ。