太陽公園

学生時代の友人の案内で姫路の太陽公園に行ってきた。
そのスケールの大きさと、あまりの偽物臭さに圧倒され、十分楽しめた。
もともとその友人がB級のものが好き、というか、マイナー部分に価値を見出すのが好きなところがあり、その辺は自分にも通じるものがある。
今年の四月にオープンしたばかりの白鳥城。ドイツの有名なノイシュバンシュタイン城を模倣して作った城で、遠くから眺めてもひときわ目立つ光景で、十分に期待させるのだが、中に入ってみると如何にも模造品といった趣で、構造にしろ、展示物にしろ、何もかも中途半端な印象を抱かせる。しかしこれだけの規模のものを作るのには途方もない金がかかるはずであり、実際ネットで調べると50億ものお金が掛けられているらしい。
この太陽公園を作ったのは門口堅蔵さんという個人。福祉法人で30年来頑張ってきている福祉会の重鎮らしいのだが、福祉でそれだけ儲かってしまっているというのも少しおかしいし、なんというか、周囲から浮いている感じが強い。
「障害者も健常者も、人種も民族も超えてあらゆる人類が共に手を携えていける社会を」という理想は確かに立派だし、その実現のために実際にこれらの建築、施設を作り上げられた実行力を尊敬すべきとも思うが、しかし、どうも、結局作っておられるものの随所から門口氏個人の虚栄が感じ取れてしまう上に、兵馬俑を除いて、配置されている世界遺産建築物の多くの造りがあまりに稚拙。たとえ模造品としても、もう少し本物に似せる努力をするとか、もしくは全くオリジナルのものを作った方が良かったのではないか、と思われた。
さらに、様々な世界遺産の模造品テーマパークとして規模も十分なものになっているのに、公園内の随所に障害者入所施設とか入所者の生活域が入り混じっている感じで、それは本来の門口氏の意向通りなのかもしれないが、観光客にとっては、その無造作に施設と観光対象が入り混じっている状況は違和感の強いものとなっており、たとえ障害者の授産目的であっても、その生活域と、観光部分とは分けるべきであったのではないかと思われる。
こうした点から、この太陽公園は姫路市の一大観光スポットというよりも、B級観光施設、もしくは話のネタにされる種類の施設になり下がってしまっている。
ただ、兵馬俑の人型達、屋内に配置されていた者たちのクオリティだけは高かった。何でも中国で実際の工法通りに作られた人形達らしく、圧巻の迫力があった。この兵馬俑を見るためだけにでも、太陽公園を訪れる価値がある、と感じられたくらいだ。
以上、感じたままを書いてみたが、ここで働いている障害者の方々を貶めるような意図は私にはない。ただ、純粋に観光客として観光対象の感想を述べるとこうならざるを得ない。私のようなB級好き、というか、たとえ稚拙なものであってもその稚拙さを楽しむような種類の観光客にとっては、恰好のテーマパークなのではないだろうか。暑さがおさまって歩くのが苦痛でないような季節に、また訪れてみたい。白鳥城
小便小僧群生