MRの方の営業活動

昔はプロパーさんとか言っていたが今はMRという言い方が一般的。いわゆる製薬会社の営業の方をこう呼ぶ。
私は基本的にMRの方と友達になれるとは思っていない。
幼少期の頃にトラウマとなるような体験があったから、到底そんなことは不可能だと思っている。→http://d.hatena.ne.jp/kabalah/20080606#p1
だから、MRの方に求めるのは適切な情報提供のみだ。
多剤との比較の結果の有用面、副作用面、両方きちんと情報提供できて、使い分けとしてどういう場面ではその薬の出番となるのかを説明し、もしくはその薬の採用で、コストや差益面で、病院の利益が増えるのかどうかという、そういう情報のみを提供して、その情報が信用に足るものかどうかも大事だが、それが短時間で分かりやすいものならば尚いい。
ところが、私の趣味を尋ねて、その共通の話題を探してくるMRの方が割と多い。たとえば昔のファイナルファンタジーがどうだったとか、それは、話としては面白いから私は話すが、そんな話をしたことと、その話をした製薬会社の薬を採用するかどうかは、少なくとも私にとっては全く関係のないことだ。
そういう交流を求めてくるドクターも他にはいるのだろうけれど、私はそういう利害の絡む関係で、友人と話すような話題をあえて探してくるようなMRの方より、当院での診療に役に立つ情報を、私が文献を読む手間を短縮してくれるような仕方で提供してくれるようなMRの方を、私はMRとして重要視する。


今日訪問を受けたMRの方の言ったセリフ。
「今日は僕の誕生日なんですよ。お祝いの意味で○○○をちょっと増やしていただけないかと思いまして」
誰かの誕生日と薬の採用量を変えるかどうかという二者には常識的に考えて何の関連も発生しない。
こんな発言は、「この方は、私がMRの方にどういう営業活動を求めているのか、全く理解してもらえていないのだな」、と強く認識させてくれる。
だからと言って、その薬の有用さ加減が変わるわけではないので、採用量を減らすこともないのだけれども、このMRの方に何か情報提供をこちらから依頼したいような気持は、少なくとも消えうせる。


こうして、MRの方と私との会話は、お互いにとって、無駄な時間となることが多い。