ポニョ

崖の上のポニョ」を観てきた。
作画も雰囲気も良い感じで、熱帯魚を見るような気持ちで見ると楽しめる作品と感じた。
しかし、ネットなどであらかじめストーリーに関する批判を読んでいたせいか、ストーリーには難解さ、というかエピソードの必然性やオブジェクトのメタモライズするものが不明な部分が多く、結局何だったのかと消化不良な部分は残る。
リサの車があそこに泊まっていたのはなぜなのか。
水没後の世界で、赤ん坊の母親にサンドイッチを渡す場面があり、死と再生を強く意識させるような描写となっているが、あれはやはり津波で町の人の多くが死んだと解釈すべき場面なのか。
結局フジモトの人類滅亡計画は阻止されたのか。
「泡になる」という話などからも、元ネタが「人魚姫」なのはわかるがそこからどういう教訓を持ってきたかったのか。
また完全に児童向けの作品というには、3歳の女の子にはまだちょっと怖がらせるような部分も多かった気がする。

やはり「ラピュタ」や「千と千尋」を知る立場としては、「もののけ姫」あたりから、少し何か方向性がすっきりしない作品になってきたな、という印象を受ける。