透析まとめ3

3-1.血液透析導入
導入基準:Cre>8mg/dl CCR<10ml/min
  厚生省透析療法基準:合計60点以上
ブラッドアクセス:
  急性期導入→IVHダブルルーメン留置
  予定導入→Cre=6前後で 内シャント造設→外来フォロー
導入期透析はなるべく緩徐に体液状態を正常化すること。
急性期導入:CHDF24時間かけて。3l~5l/dayの除水で、連日透析5日間。第2週から3回/weekの予定導入プランに移行。
予定導入:体表面積の2/3程度の膜面積ダイアライザー(0.8~1.2m2) 一回3時間透析で3回/weekから開始。第2週から一回4時間透析に移行し外来フォローとする。
全身検索:眼底検査、心電図、胸部写真(→心エコー)、腹部エコー、CTなど悪性腫瘍検索、糖尿病管理。
腎性貧血(内因性Epo測定後)初回よりEpo剤4500IU/week開始
Ca代謝異常(CaxP積、骨密度測定、iPTH測定後)活性型VitD剤投与開始
食事指導・内シャント自己管理
合併症:不均衡症候群=脳浮腫 
  症状:頭痛、悪心、嘔吐、血圧上昇、錯乱、振戦
  予防:頻回小膜面積透析
対策:グリセオール点滴、高ナトリウム透析、ECUM
導入期間は、通常入院2週間→近医紹介
医療費が高額となるので、身障1級の早期申請を。
Cre>8.0mg/dl もしくはCCr<10ml/minにて認定される都道府県が多い。

3-2.透析開始終了手順
必要物品:透析液供給ライン、透析監視装置、ダイアライザー、血液回路、生理食塩水、抗凝固剤、投与薬剤
ライミング:生食1Lにて回路を満たす、回路破損の有無確認、残留気泡確認、透析条件を装置に入力(血流量、抗凝固剤ポンプ流量、時間除水量、透析時間など)。
穿刺:脱血側、返血側2箇所のライン確保。
シャント血流確認、穿刺部消毒の上、清潔操作にて16~18Gaエラスター、翼状針を留置。
穿刺ラインを血液回路につなぐ。A側をつなぎ、V側を排水管につなぎ、血流量50~80ml/minで回路を血液で満たす。抗凝固剤シリンジポンプをスタートする。このときダイアライザーはV側が上になるようにする。Vチャンバーまで血液が到達したら、ポンプを止め、血液回路をV側ラインに接続する。抗凝固剤のポンプを開始し、血流ポンプを通常流量に設定し、回路や穿刺部に異常がなければ、透析開始ボタンを押す。
終了方法:透析終了ボタンを押し、Qbを落とし、A側抜針。A側を生食につなぎ、回路内の血液を返血する。Vチェンバーの色が薄くなったら回路を止め、V側抜針。止血。

3-3.必要設定事項
血流量Qb:150~220ml/min:循環動態、透析効率より決定。
ダイアライザー:膜面積0.8~2.0m2:通常は体表面積に一致、透析効率を見て決定。膜素材は、中分子量物質の除去が必要ならばハイパフォーマンス膜(PMMA膜、PS膜)を選択。
抗凝固剤:ヘパリン開始時1000単位フラッシュ、維持量500単位/h:残血量、血小板数などみながら設定変更。出血中、出血傾向症例にはフサン(30~50mg/h)、低分子量ヘパリンなどを使用。
透析時間:4時間が一般的:循環動態、必要除水量により設定変更。
ドライウェイト:①心胸郭比CTR<50%(女性は<55%)②透析中の血圧低下が軽微③浮腫がない④肺うっ血がない⑤中心静脈径(1.2~1.5cm、呼吸性変動>50%)などより、理想のDWを設定する。

3-4.腹膜透析
尿量が比較的保たれている段階での導入が望ましい。
カテーテル留置したその日から導入開始。
留置日は洗浄のみ。術後二日目から一回1L低張液の貯留を開始。術後1週間で通常の透析液2L貯留一回6時間貯留へと漸増する。
腹膜透析業者により、クリニカルパスが作成されている。
透析効率を見る方法:PET(peritoneal equilibration test):透析液貯留後0時間2時間4時間の3点の排液中ブドウ糖濃度、クレアチニン濃度を測定。血中クレアチニンブドウ糖濃度を測定し、腹膜の水分除去性能および、溶質除去能力をカテゴライズし、至適透析条件を決定する方法。