朝日新聞の勘違いキャッチコピー

「言葉は感情的で残酷で時に無力だ。それでも私たちは信じている。言葉の力を。」
ってやつ。ほかのブログとかでも取り上げられているようだが、どう考えてもおかしい。
言葉には力があるからこそ、感情的でも残酷でもありうるのだろう。もちろんときに、朝日新聞の意図するようなデマゴーグが成立しないという意味では無力でもあるだろうが、それは言葉に多くの効果を期待しすぎ、というだけのことだ。
常に体制側を批判する第三者団体というのはいつの時代も必要とは思うが、朝日新聞の極端に左側の姿勢は、いつ見ても、バランスを欠いているとしか思えないことが多い。
こういうコピーにもそのバランス感覚の欠如が見て取れる。
一つのまとまった意味を伝えようとする、キャッチコピーにおいてここまで平然と矛盾する内容を入れてはいかんと思う。感情的、残酷とならべてきて、その次に「無力」という言葉が出てくるのがおかしいのだ。最後に言葉の力を、と出すために、無理やりここに「無力」を持ってきたとしか思えない。感情的、残酷な使われ方もしうるけど、私たちは言葉の良い力、物事を正していく力を信じている、という方向に持っていくべきだったのだ。ただ言葉の力を信じていると言うだけでは、これまでの朝日新聞のジャーナリズムを知る人間は、朝日新聞が言うならそれは結局言葉の暴力のことか、というイメージになってしまわざるを得ない。今まで自分たちがバランスを欠いたジャーナリズムであったという自覚をちゃんと持って、ここは丁寧なキャッチを作るべきだったのではないかと思う。