嫌いな言葉

最近流行っている言葉の中には、自分が受け入れがたい、と思う言葉がたくさんある。
代表的な3つを上げる。

「ぶっちゃけ」:もともとは、「歯に衣着せずに言うとすれば」「誤解を恐れずに直接的ナ表現をするならば」というような意味合いで言われている言葉なのだろう。けれど、さもこれから重大な発言をする、という期待を持たせようとするその姿勢が何度も繰り返されることにより、この言葉にはむしろそういう相手の言葉をすべて軽薄なものにしてしまい、続いて出てくる言葉すべてもそういう軽薄な受け取られ方しかできなくなってしまう。そんなに会話しているお互いにとって重大な問題が軽々しく何度も出てきはしない。そんな程度の事柄ではなにも「ぶっちゃけ」てはいないよ、と言いたくなる。

「ていうか」:相手の話をまったく無視して、自分の話したい話題に切り替えるこの言葉。会話というものはキャッチボールであり、相手の言ったことに対する自分の意見や、それからさらに関連する話題へとつなげていくものであり、こうした接続詞で、人の話題をまったく無視して自分の話したいことを話すような発言は、無礼というしかない。「ていうか」と言う接続詞を使う相手と会話を続けようとは思わない。一方的に喋り散らしたいだけなら、アロエ相手にでもしゃべっていればいい。

「ムカつく」:もともとは「吐き気を催す」という意味であるから、生理的に受けつけない、嫌悪する、という意味なのだろう。しかし、どんな事柄についてもちょっとでも気に入らないとすぐにこの言葉を使うため、言葉の意味はほとんどなくなってしまっている。単にその人が何らかの負の感情にとらわれているという事しか分からない。そんなに四六時中生理的な嫌悪感を感じなければならないほど、神経質な人間はいないだろう。自分の嫌悪感を必要以上に誇張するな、と言いたいし、さらにずっと誇張され続けた結果、ほとんど誇張の意味はなくなっているよ、と言いたい。そんなに常にむかついてるあなたはひょっとして胃潰瘍、もしくは逆流性食道炎でもあるのではないのですか、と言いたくなる。