6回忌

6年前に26歳の若さで他界した友。彼の命日をしのんで毎年一月の第一週には3人の友人が墓前に集まる。近況報告や昔話もそろそろネタも尽きているが、彼が生きていたなら、むしろこうして一年に一回も集まる機会は無かったのかもしれない、とも考える。
彼の分まで自分が人生を楽しまなければ、とか、彼が生きていたら自分に訪れていただろう様々なアウトドアの企画や、新たな人々との出会いを自分の力で手に入れなければ、などという気負いは今となってはもう無い。
自分は日々自分に訪れる外界の刺激を、自分なりの形で変換してアウトプットとして提出し、環境に適応して生き延びていくだけだ。ゾウリムシのように。いつまでたっても青年の笑顔をたたえた、友人の墓前写真に、見かけだけは年を食っていく、ゾウリムシの私がそのゾウリムシさかげんを報告する。