人の心は十人十色

相手を思いやっているようで、その実は自分の要求であったり、相手の思惑を考慮しすぎて、結局お互いすれ違ったり。
お互い好意を持ってやっていくような人間関係において、「自分の相手に対する好意の量が、相手の自分に対する好意の量を、上回らないように留意する」というやり方がある。相手の自分に対する好意の量と比べて、自分の相手に対する好意の量が不自然に上回ることで、勘違いや逆恨みや、その他もろもろの不幸な出来事が生じると考えられるからである。
けれども、自分が好意を抱いているなら相手の好意を増量させたいという方向に動くであろうし、それは逆効果となることもある。
相手は自分と他人である以上、そこにはどうしても超えられない溝があり、その向こうをどうしてもうかがい知れない壁がある。
そういうわけで実際には好意の空回り、その結果としての逆恨み、それが昂じての執着行為など、世の中には不幸な事例がたくさん生じてしまう。
そして小規模ながら、そのような事態は私自身においても日々、心を騒がせる要素となるわけだ。