25.10.2005.

午前中1件目からTURP。必要ないと思うのだが、部長が毎回TURPで硬膜外チューブを入れたがる。いちいち麻酔科に依頼していては手術が組めないので、昔の経験を元に、今日は自分で硬膜外をいれてみることにする。果たしてうまくいくかどうか。まあ、入らなくても腰麻で十分なのだが。
昨日のことだが、9月に私が主治医で胱全摘尿管皮膚婁を行った症例が、左尿管左外腸骨動脈間で婁孔を形成し、尿管皮膚婁から拍動性に大量出血し、入院となった。
先週金曜からじわじわ出血し、本日来院した。カテーテルフリーとならなかったので両側尿管に皮膚婁から8FrSJカテーテルが留置してあった。交換の時期も近かったことからこれを透視下に交換した。右の交換を終わり、左にガイドワイヤーを挿入しSJを抜いたとたん、水芸のように皮膚婁から出血し、拍動性に噴水のように血が吹いた。あわてて指で皮膚婁を閉鎖し、応援を呼んだ。状況から尿管大動脈婁が疑われ、泌尿器科全員が招集された。指で皮膚婁を閉鎖しているので体外には出血は無いが、左上部尿路内に高圧で血液が流入し、腎盂内圧があがることで患者は強い疼痛を訴える中、入管拡張用バルーンデバイスをガイドワイヤー沿いに挿入し、大動脈交差部と思しき辺りで拡張し、止血を確認した。そのまま入院とし、CTにて、大血管と左尿管との位置関係を確認。結果、左総腸骨動脈との婁孔形成が疑われた。カンファレンスにて検討の上、循環器内科に依頼し、大血管内ステント留置により、血管側より婁孔閉鎖する方針となった。業者に連絡し、ステント、デバイスを手配し、循環器内科依頼の上、これを実行した。とりあえず止血できたため、左尿管内に再度SJ留置して処置を終えた。今後左腎婁をあけるべきかどうかを検討する。

硬膜外チューブはうまく入った。TURPも切除片重量12.8gとまあまあだ。