16.9.2005.

昨日午後の外来の最後に糖尿病内科から、腎膿瘍にて紹介を受けた症例があった。コントロール不良の糖尿病がありHbA1c=12.0.入院時の白血球13000、CRP=15.すでに2ヶ月来発熱と腰背部痛が続いており、他院にて抗生剤投与を繰り返されていた。これから週末にはいるという日の夕方の時刻、CTでは明らかに筋膜にまで炎症が波及した、経5cm以上の腎膿瘍、もしくは感染性腎のう胞を認めた。このとき私はどうすべきであったのか。
腎膿瘍の基本方針はよほど小さいもので無い限り、穿刺排膿である。夕方より、外来にてエコーガイド下に腎膿瘍穿刺を行った。カテーテルを留置し、膿汁を40CC程度吸引し、培養検体とした。治療はうまく施行できたと考えられた。
けれども帰室後、悪寒戦慄と40度までの発熱、SpO2の低下をきたした。膿瘍穿刺操作による、菌血症から敗血症になったと考えられ、ここまでは予想の範囲内であるが、重度糖尿病により、高血糖、心拍数呼吸数の増加、血圧の低下を認め、SIRSの診断基準を満たした。エンドトキシンショックの前段階である。
仕方なく、夜22時頃より大腿静脈にアーガイルを留置し、PMXによるエンドトキシン吸着療法を開始した。これにより深夜1時頃には血圧は回復したが、尿量の回復を認めなかった。けれどもこれはバルーンの閉塞によるもので、膀胱には900CCもの尿がたまっていた。またこの膀胱からの圧迫により、ダブルルーメンのカテ先が血管壁に当たるらしく、採血不良により体外循環の継続が何度も妨げられた。高血糖に対してインシュリンの持続点滴も行われ、その影響で低カリウム血症もきたした。
これらの対処、処置などで結局朝の4時頃まで仕事は続いた。
そして今日、土曜日は、私のみ出勤で残りの3人は病院に来ない。まあ研修医が3人いたけれども、私のみで外来、透析、病棟と回さねばならなかった。結石疼痛の即時入院など、結局私の担当患者数は、残りの二人の担当患者数の合計を上回る状態が続く。
現在は夜の20時、透析当直のDutyは夜の21時まで。長かった金曜日がようやく終わろうとしている。