結合定量の法則

これは社会学という分野の中の一概念で、私が大学生時代に学んだ「命題コレクション 社会学」という本にその解説がある。
難しそうな言葉だが、これはある簡単な事実をあらわしているに過ぎない。
「ゲームに夢中になりすぎて、会社の勤務がおろそかになってきた」
「ほかに好きな子ができたために、現在交際している相手への連絡が途絶えがちになった」
そのような事態を説明するための言葉なのだ。
正確にはまたその本から引用したいと思うが、ある個人が人間関係やその他の事象にコミットするそのエネルギーには定量があって、ある方面に力を注げば、その分ほかの方面へのエネルギーは減少する、というその法則を示しているのだ。
この法則と、互酬性の法則(やられたらやりかえす、好意を持ってくれた相手に好意を抱く)という二つの法則で、人間関係はほとんど単純化できると私は考えている。
社会学という学問は、説明のために時間がかかってしまうような、人間生活における様々な事象を単純化し、表現するための言葉を作ってくれている。学生時代の私にはそれがとても便利に感じられた。単純化の過程で、事実と異なる理解となってしまっている命題もあったけれど、要は「あるある探検隊」を学問化したものが社会学なのだ、と私は理解している。