星の銀貨2

つづき

2.二番目のお話
むかし、ある別のところに、別の少女が住んでいました。その少女は最初の少女のことを聞いて知っていたので、そんなふうになりたいな、と思っていました。
幸か不幸か、お父さんもお母さんも早く亡くなり、思いどおりの貧しい少女になることができたので、さっそく原っぱに出て行って、腹ぺこの男や、はくスカートのない女の子や、着るシャツのない男の子を、探しました。
運のいいことに、腹ぺこの男もスカートのない女の子もシャツのない男の子もすぐに見つかったので、少女は自分の持っていたすべてのものを、気前よくあげまくりました。そんなつまらないものよりも、星の銀貨が欲しくて欲しくてたまらなかったからです。
少女はうずくまり、いまかいまかと待っていると、思ったとおり、空から星が降ってきて、銀貨に変わりました。少女は満たされた気持ちになりました。ほんとうに価値があるのは、パンや衣服ではなく、星の銀貨であることを、始めから知っていたからです。

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