torsion

当直中、朝の4時ごろ、左睾丸痛を訴える若年男性が救急車にて来院した。精索捻転を疑い超音波検査など施行するが、どうも捻転にしては症状が曖昧で、Plehn's signもはっきりしない。NSAIDs座薬にて症状軽快しないため、入院としたが、これが曲者だった。テレビがないなら、ある病院に転院させろなどといって、看護士にどなりちらし、朝方から退院するといって周囲を困らせる。腕に入れた刺青を見せたりして、すごんでいるらしい。そんなことが言える位元気なら、torsionのわけはないのだろう、検尿もできてないが、抗生剤投与して、帰ってもらうことにした。
病棟での術後管理必要な症例もあり、今日はなるべく大きな症例は受けないでおこうと思っていたのに、torsionの臨床経験が少ないため、つい経験をしておこうとおもって、救急隊からの要請を受けてしまった。夜間の手術ができないのだから、はじめから当院ではtorsionを受け入れるべきでなかった。しかも患者の人格障害精神疾患の可能性を十分に検討せずに、主訴だけにもとづいて入院させてしまった。これらを深く反省する。朝2時くらいまで病棟の処置、電話相談など受け、朝4時から眠い目をこすりながらがんばって検査や、説明や、入院継続の必要性について説明などしたが、まったく報われない、徒労であった。