資産運用は必要か2

今日は証券会社の営業の方の話を聞いた。

彼の説法で新しい観点だと思われたのは、
普通預金普通預金のまま置いておくことも、リスクである、とする考え方だ。
物価が上がり、職員の給料を上げなければならないのに、病院の資産を増やさないことは、リスクとなる、と説く。
リスクと利回りは比例する。それはあらゆる金融商品がそういう仕組みになっている。
リスクの少ない安定した運用で、資産の目減りを防止するというのは、経営者がとるべき当然の安全策である、と。
彼の話はまとめるとそういうことになるようだ。
例え、物価の上昇で、普通預金の価値が目減りしたとしても、それをリスクと考えるかどうか。私にはまだ納得のできない観点である。

確かに現状、原油の値段の上昇により、諸物品の物価が上がっている。
さらに4月からの薬価改定で、医療費は軒並み削減方向に持っていかれた。もちろん、在宅とかターミナル関係は手厚くなっているようだが、結局そのような新しい方向になかなか人的資源を割けるものではない。
これを考えると、昇給はしなければならないが、収益が増える見込みが少ない。確かに資産は減少していくのかもしれない。

けれど、それは医療という業界に対して、社会が厳しく臨もうとしていることの結果であり、医療経営者が、資産運用で乗り切らねばならないような性質の事態ではない。
このことによって淘汰される医療施設は、社会から必要とされなかったというだけのことであり、その施設の廃業で、その地域が苦境に立たされることがあるならば、それは医療に対する社会の姿勢がつまりは国政が間違っていたということになるのである。
社会がそれが明らかに間違っていると認識すれば、多少の時間差はあっても、国政は変わるだろう。