機動戦士ガンダム

1ヶ月くらいかかってガンダムのDVD全11巻を見た。
小学生の頃、プラモデルでドムとかゲルググとか作って喜んでいた。
実際リアルタイムで放映されていたガンダムは、「うてようてようてよ〜」とか歌はよく聴き覚えているけれど、内容自体は私はまだ小さすぎて楽しめなかった。
どんな話か中学生の頃に小説版を読んでみたけれど、ニュータイプとかいう新人類が旧人類との間で葛藤するとか男女の仲が絡んでよくわからない話だった。モビルスーツでの戦闘は小説では本筋にほとんど絡まずに展開した。
それから20年近くたった今になって、ガンダムを1からDVDで見てみた。
面白い。やはりモビルスーツでの戦闘や、地理的な戦略戦術が面白い。これは田中芳樹という人の作った「銀河英雄伝説」という作品の楽しみに通じる部分である。それからアムロという未熟な人物とその成長、周囲との協調などが得られていく過程も楽しめる。碇シンジという人物には最後まで好感が持てないが、アムロについては、逆にユーモアを感じるというか、笑って見ていられるところがある。また敵となるシャアとかザビ家の人々のキャラクターがしっかり作り込まれており、かなりかっこよく描かれるのもいい。悪役が単なる悪役ではなく、同じ人類であり、美点も複雑な事情も併せ持つというキャラクターの細部までの作り込みが、作品に深みを与えるのだろう。
ニュータイプというテレパシーを使う超能力者が、戦闘ではなく、人々が互いに真に理解しあい、発展していくのに役立ってこそ、人類の明るい未来がある、という終わり方なのだろうけれど、ジオン、連邦という二つの勢力は問題を抱えたまま、存続していくということで、Zガンダムに話がつながっていくのだろう。
Zガンダムも小説版でしか読んでいないが、カミーユという人物はアムロよりさらに軟弱で好感が持てなかった記憶がある。よほど借りるものがなければ見るかもしれないが、ガンダムだけでおなかいっぱいの感はある。
ただ、ガンダムは、エヴァンゲリオンとか、その他後続品が決して越えられない、素晴らしいオリジナリティを持つ作品だということは言える。