日産GT-R

GTRに試乗させてもらった。実際乗ったのは1月の末だが、経験として消化するのにこれくらいかかったということだろうか。
車の価格は890万。諸雑費含めたら1千万、と考えていいだろう。480万馬力、4輪駆動、雪道でも、街路でも、高速道でも快適な乗り心地、という文句に惹かれて、購入を検討していた。しかし、試乗してみて思ったのは、、、
私では、この車は乗りこなせない、ということだった。
この車は、週末にはサーキットなどに行って、200km/hを超えるようなスピードで走り回るという趣味を持った人が、充分にその価値を楽しめる車であって、一般道を、家族での遠出で走るときに、快適なドライブがしたい、という私の目的とはだいぶずれたコンセプトの車であることがわかった。
外観は非常にかっこいいし、坂道でアクセルを踏んでもまだまだ踏み足りない、と車が言ってきているような、物足りなさを感じる。この車を作った人の努力は、私のような車の使用目的の相手を対象としていない、そう感じた。別に資金に余裕があって、車に魅力を感じるなら、購入すればいいという考えもあると思うが、この車を作ったその努力が非常に研ぎ澄まされ、時間をかけ、はらわれた労力であることが感じられたからこそ、その努力に見合う乗り手に、この車は乗ってもらうべきだ、というようなことを感じたのだ。
私もそういう方向で努力をすればどうか。そういうことも考えてみたが、私が持ちたい趣味は、そういう趣味ではない。

結局いろいろ考えて、車は移動のための手段に過ぎず、移動した先に目的があり、また、地球環境のことを考えると、これまで乗ってきたローバーミニにこれからも乗り続け、また、なるべく車は使わないように生きていく、そういう方向が自分には合っているのかと考えるようになった。

まあ、シルビアの後継車が開発中とのうわさがあるから、それが発売されればまた心は揺れるのだろうが。

私の自宅の駐車場から5年前に盗まれた青いシルビア、今は知らない異国の空の下、乗りまわされているのだろう。