Jupiter by Bump of chicken

jupiter

jupiter

Bump of chickenの[Jupiter]というアルバムを買った。少し前に流行った「天体観測」という曲が入っている。
一通り聴いて、気に入った曲は3曲。
「キャッチボール」:恋愛においては二人の人間がお互いのところに到達できるかもしれないという幻想を抱く。どんなに外れた球でも自分の努力できっと受け止めてあげる、と。優しい歌だが、それは結局、その外れ方すらも、受け止める側に向けて放たれている以上、ストライクでしかあり得ない。いや、正しくは、ストライクと勘違いせざるを得ない、もしくはキャッチしたと勘違いせざるを得ない。けれど、そういう甘い幻想を抱きうる、恋愛の初期の気持ちは、それはそれで美しく、鑑賞に耐えうる。
「ベル」:男性は、ひねくれがちである。社会にでて、競争を強いられ、自分の価値を常に問われるという環境がそうさせるのか、自分など、受け入れられるはずが無い、と早期にあきらめ、ひねくれるのである。特にモラトリアムのころの、そういうひねくれがちな気分がよく表現されていて、逆に若さを取り戻さなければ、というような気分になった。
ダンデライオン」:dandelionとはタンポポのことだ。タンポポという単語の中にLionが入っているのはやはり形状の類似性からだろうか。テンポの良い曲。テンポだけで内容は無い曲のようだが、歌詞を聴いてみれば当然この曲は中島敦の「山月記」を思い出させる曲としかいいようがない。李徴の言葉がすごくテンポ良く歌われた。そういう曲だ。