Hawaii

ハワイの記録を。
常夏でありながら常に風が吹き、日差しが遮られればとても涼しく過ごしやすいところだった。人々はバカンスという姿勢で過ごしているし、土地柄全体が楽しんで生活することを求めている。ストレス性胃潰瘍という病気が皆無であることに象徴されるその土地には逆に、独語空笑するホームレスの人をよく見かけた。

宿泊先のコンドミニアムが非常に見晴らしの良い角部屋で、そこで1週間過ごせたことは幸運であった。けれどもこの部屋は、まさに6年前の春、私が学生時代の最後、卒業旅行的な旅行で級友たちとハワイに来た時に泊まったその同じ部屋であったように思う。あの時一緒に楽しんだ級友の一人は交通事故で今はこの世にいない。ハワイアンブルーと呼ばれるその海の色を見ながら、時々その友のことを思っていた。
子どもは発熱することもなく、1週間を楽しんで過ごしてくれたようで良かった。ただ帰りの飛行機では結構ぐずぐず泣いて、妻を困らせていたようだ。片道8時間というのはやはり長い。
目標としていた3項目だが、海では泳いだ。サーフィンはできなかったがボディボードというのをやった。このきなんの木はオアフ島一周ツアーで回ったが5分しか自由時間がなく、登るどころではなかった。まあ、カピオラニ公園など、そこら辺いたるところの木が、このきなんの木の縮小版のような木で、日本で言うならネムの木というのだろうか、赤いテッセンのおしべの部分だけが集まったような花に、オジギソウのような葉が広がり、それを支える枝は地上低くから非常に広い範囲を覆うように複雑に枝分かれする、そういう木だ。自分が家を持つならあのような木が庭に欲しい。実家にはすでにクロガネモチの大きく育った木があるけれどできれば、ハワイにあったあのような木が欲しいところ。その木の下にはえんどう豆の鞘のような黒く変色して硬化したものが落ちていた。あまりきれいな見かけでは無いがあれがあの木の実なのだろうか。
子どもの昼寝の時間があるので、外出は大体一日二回、小規模な外出した。ワイキキの海でボディボードをしたり、公園でテイクアウトのピザを食べたり、アラモアナショッピングセンターで買い物をしたり、自炊の食材の買出しに行ったり。そんな日々で1週間が過ぎた。心を打ち砕くような感動の経験はないが、こんな楽園のような安楽な生活もあるということを時々思い出すその材料にはなる、そんな日々だった。