COMIC

昨夜はなんか寝られず、松本大洋の「ピンポン」をまた読んでしまった。いまから思うと、なんでスマイルはペコに勝たせないと自己を実現できないのかさっぱり分からない。スマイルが自分で強くなってヒーローになればそれでいいんじゃないの?と思ってしまう。なんというか他者に依存したいという夢が実現したとして、それがそんなに幸福なことなんかな?うむ、この違和感についてうまく説明できないが、卓球自体の極限性やマニアックな部分、なにかを追求するということの喜びとか、洗練されていった到達点でしか得られない境地とか、うまく、きれいに描かれているだけに、そういった主人公の精神的な帰着がいまいち納得できない感じなのがもったいない。
まあ、それはそれとして漫画のキャラクターなのに、年齢を積み重ねたなりの顔つきとか表情の変化が同一性を貫いて表現されているそのさまは相変わらずすごいと思った。

あと最近お気に入りの作家は小田扉。スピリッツの「ともお」が有名なのかもしれないが、うちにある単行本の「男ロワイヤル」ってのが結構面白い。